日大アメフト。選手にも問題はあるが、一番の問題は監督。権力者はみな謝るのが下手である。

日大アメフト部のタックルした選手について

タックルした選手はここで大きな騒動になるとは思っていなったでしょう。しかし、あのタックルはスポーツの舞台を借りた暴行だと思います。例え監督の命令は絶対だったとしてもです。スポーツで鍛えた巨漢が無防備な選手に後ろからぶつかればどうなるか、日ごろタックルしたりぶつかる練習をしているからこそ、想像はつくと思います。ぶつかりあうことを生業としているプロレスラーですら、時に大けがをすることもあるにも関わず、原付バイクが後ろからぶつかってきたようなものです。

日大アメフト部の監督について

一番の問題は監督だと思います。自分の権力を利用して選手に悪質なタックルをさせる。スポーツの指導者として最悪です。
今回の騒動では、騒ぎを収めるために謝るタイミングはいくつかあったと思います。
まず、試合中。
やりすぎなかな、と思ったらゲームが止まった時選手に注意し、すぐに謝る。
そして、試合終了後。
先ほどのプレーは冷静に思い返せばさすがにやりすぎました、と謝ることもできたでしょう。
そしてマスコミが騒ぐ前、動画サイトで問題になり世間がザワザワしだした時。
ここできちんと謝罪し、今後の対応について相手に真摯に謝罪すれば、マスコミはここまで騒がなかったはずです。
マスコミはどんなに問題の行為だったとしても、この先あまり世間が盛りがらないと思えば、取り上げない因果な職業です。
そして最後のタイミングは、マスコミが騒ぎ始めたとき。
今回の一件はここで記者会見をしているわけですが、謝罪の仕方に問題があったと思います。
監督は、自分はすべての責任です、といいながら、肝心の出した指示に関しては「書面で報告します」と言っていました。
これでは一度騒ぎ出したマスコミが納得するわけがありません。
マスコミは、世間を煽り、盛り上げることが最大の目標であるため、これ以上マスコミに突っ込むポイントを与えるべきではなかったのです。
謝罪会見をするまで十分準備する時間があったはずです。危機管理の専門家や弁護士に意見を求め、これまでの様々な騒動を参考にツッコミどころのない完璧な返答を用意していなかったのでしょうか。
それとも政治家と同じように「書面で報告します」とすれば納得すると思ったのでしょうか?
マスコミは政治家をあまり怒らせると今後の取材に圧力がかかるため、政治家相手にはほどほどで追及をやめますが、この監督を怒らせたところでマスコミにはこの先、政治家を怒らせるほどのデメリットもないため、追及をやめるはずがないのです。

政治家もそうですが、権力を持っている人間はみな、謝るのが下手です。
結局最終的に追求されて認めることになるのだから、最初から潔く自分の非を認め、きちんと正直に話し、謝罪すべきです。
へたに事実を隠し、自分を正当化する部分を残すので、ダラダラと問題が長引くのです。
さっさと認めてしまえばマスコミも満足し、問題は沈静化に向かうでしょう。
今回の監督は謝るタイミングを誤り、中途半端な対応をしてしまったため、どんどん追及が激しくなってしまいました。
今後、大学の理事としてのポジションも失うことになるのではないか、と私は想像しています。ゲイビデオ出演の発覚の井上奨コーチもキチンと謝罪して欲しいです。